先日(4月11日)公開シンポジウムに参加してきました。テーマは「霞提(かすみてい)の多様なはたらき」です。みなさん、霞提はご存じですか?これは、豪雨により河川が増水し堤防からあふれ出し、決壊に至るのを防ぐため、堤防の一部をわざと分断し、水を外側の田畑へ逃がすよう作られている堤防のことで、まさに先人の知恵と呼ばれるものです。

当市を流れる一番大きな川である北川(一級河川)には、11ヵ所作られています。私たちの時代には、とにかく河川の強化や拡幅をを中心に考えられてきましたが、近年の全国的な大規模水害を見ますと、それにも限界を感じるところがあるのも事実です。

この霞提の一番すごいと感じるところは、一旦外へ出した水をまた川へ戻す機能があり、要するに災害の発生から終息までを総合的な減災につなげられる発想があることです。

我々はもう一度このような先人の知恵に着目し、新たな技術との融合を図り、より進んだ防災・減災につなげていくことが重要ではないかと考えさせられました。私が言うまでもなく、現在国を中心として今後の流域治水の議論が始まっています。

防災・減災は、私たちの生活にかかわってくる一番大きな問題でもあります。私たちもしっかり意識をもって共に考え、協力しあいながら少しでも安心、安全な地域づくりを考えていきたいものです。

その他「霞提と生物多様性のかかわり」などの研究発表もあり、大変勉強になりました。